完コピめざして演奏力アップ。コピーバンドで気をつけたいポイント
「あの曲はどうやって演奏しているの?」
「どうやったらあの音は再現できるのか?」
コピーバンドでお悩みの方や楽器初心者の方が、曲を完コピするために必要なポイントをまとめてみました。
曲を完コピするときのヒント
完コピとは、そのまま「完全コピー」の略です。
プロの歌手やミュージシャンの演奏技術を可能な限り再現することです。
ここでは、単なるモノマネではなく、プロの演奏表現を理解しながら、一つ一つ再現していくことを念頭に、どこに注目すれば、この完コピが実現できるのかを紹介していきたいと思います。
耳コピ
耳コピ = 曲中で実際に演奏されている音を聴き取ること。
もちろん初心者のうちは、バンドスコアを見ながらで練習してもいいでしょう。
ただ、スコアばかりを頼りにしていると、肝心の音を探しながら演奏することが後回しになります。
上級者になると「耳コピするほうが早い!」という人もおられるように、音を集中して何度も聞くことが、完コピするためには重要になります。
チューニングを探る
最近の音楽はレギュラーチューニング以外にも、さまざまなチューニングが存在しています。
まずコピーやカバーしたい曲のチューニングを探る必要があります。
ギターやベースなどの弦楽器は、ピアノとは違い開放弦(何も押さえていないとき)の響きが独自です。
フレーズだけをなぞるより、音の切れ目やリフを聞いてチューニングを判断していきます。
- カポをつけているのか?
- ダウンチューニングしているのか?
など、数をこなしていけばできるようになります。
ドラムの場合は、音の高さに注目してみましょう。
- バスドラムの音は
- スネアの音の高さは
- ハイハットのオープン具合
- シンバルのサイズは、叩いている枚数は? など
ポジションを完コピする
ギター・ベースは、同じ音程でも、違うポジションでさまざまな押さえ方があります。
ドラムは、叩くポジションによって音のニュアンスが変化します。
ボーカルはマイクとの距離で、声の聞こえ方が異なります。
このように、フレーズだけではなく、ポジションを意識することでニュアンスを取り込みやすく、より完コピに近い状態で演奏できると思います。
参考:【すぐ役に立つ】ペンタトニックスケールを使ったギターフレーズの作り方
音符の長さ、揺らし方
弦楽器には、ビブラートの幅・チョーキングのスピードなどの細かいニュアンスがたくさん存在します。
何度も聞き取りながら、試してみてください。
フレーズの入り部分、ブレイク部分はもちろん、音の長さまでしっかり再現できればベストです。
- メロディやリフなどのフレーズ
- ドラムセットのタイコの余韻、シンバルのサスティン
音色
普段からエフェクターをたくさん使用されている人は、判断がつきやすいと思います。
特に曲の盛り上がり部分(イントロやサビ、ギターソロなど)は、意識しておきましょう。
ちなみにわたくしは学生時代、音色作りのために本物の音源を聞く際は、通常より大音量で聞いていました。
音色作りではエフェクターの効き具合などが音量によって異なるので、実際に演奏するギターの音量感のほうが確認しやすいためです。
逆に、フレーズやメロディの音程を確認する際は、小さい音量のほうが聞き取りやすいです。
当然のように聞こえ方は、フレーズによって変化するので、弾きたいフレーズを実際に演奏しながら確認していくことをおすすめします。
参考:ギター・エフェクターが良く分かる。音作りに役立つ基礎知識
楽器は何を使っているか
プロのアーティストは、楽器の特性を十分に理解した上で、楽器を選択しています。
例えば、エレキギターなら、レスポール、ストラトキャスターなど種類によって、ボディ全体はもちろん、ピックアップや構造も変わります。
もちろん、音色やアタック感や音のレスポンスも異なります。
ただし、プロのようにギターをたくさん所有することはなかなか難しいと思うので、どの音なのかの判断さえ付けば、対応できる余地はあります。
例:ストラトキャスターでレスポールの音を出したい場合 → 太い音にするためにエフェクト、アンプのイコライジングでカバーする。…など
ハモり、コーラス
どのようなハモりが入っているかは、曲によってさまざまですが、ここを再現できればより楽曲が魅力的なものへと変わるでしょう。
まずどの位置で入っているかの確認、どの音の高さでハモっているかを意識して、曲を何度も聞くところからはじめましょう。
口ずさめるようになると、あとは何度も練習していけば再現できるようになると思います。
大人数で合唱するようなコーラスも同様です。
バンド全体の音量バランス
歌もの場合は、他の楽器の音量調整を行い、しっかり歌が聞こえるようにしましょう。
演奏していると、どうしても客観的に聞くことが難しいので、録音をして全体の音量バランスを確認しましょう。
最後に
決して「完コピしなければいけない!」というわけではありませんが、その過程の中で、プロミュージシャンのさまざまな工夫が発掘されていくと思います。
完コピを経験することは、演奏技術やバンドアンサンブルなどを体得する上でまさに活きた教材です。
そこから得られた発見や気づきは、これから始まるあなた自身の音楽を形成していくのです。
一気にすべて完璧にやろうとはせずに、一つ一つ確認しながらやっていってもらえればと思います。
コピーバンドをする際、また思い出してもらえたら幸いです。
ライタープロフィール
スタジオラグ
中尾きんや
スタジオラグスタッフ
ウェブサイト:https://www.studiorag.com
Twitter:kin_kinya